フラワーデザイナーの日々の仕事や生活などの奮闘日記。OL時代のフラワースクール通いから始まって、手に職をつけたいと花屋への転職、そして現在の活躍ぶりまでをリアルに綴っています。現場で活躍中のフラワーデザイナーの貴重な貴重な体験日記。
花屋(フラワーショップ)と園芸店>フラワーデザイナーの仕事日誌>116 〜こだわりのカトレア
■2003年4月25日「ホテル編」 − こだわりのカトレア −
夕方、ひとりの女性がご来店された。ショップに入ってくるなりキーパーの中にあった一輪のピンクのカトレアにくぎづけなのだ。お声をかけたところ、カトレアを探して何件も花屋さんを回ってきたとおっしゃって、譲ってもらえないかと聞かれた。
確かにカトレアは高価で管理も難しい花なのでいつでも置いている花屋さんは少ない。高額な花を置いているうちのショップでもブーケなどで注文が無い限りは置いていないのだけど、今日はたまたまブーケの花材として1輪だけあまっていた。
1輪4500円です、とお答えしたところ、ではそのカトレアを引き立てるようなアレンジを作って劇場の楽屋御見舞いとして送って欲しいとおっしゃった。楽屋御見舞いで他の花よりも目立つようにしたいというご希望もあった。
どんな感じになりますか?と聞かれたのでとりあえずは器をお見せしたほうが雰囲気を分かってもらえやすいと思ったので、カトレアにふさわしいような器を探すところから始まった。
でもカトレアの茎は短くカットしてあるし、テーマとしては難しい。どうしようかな・・よくあるカゴじゃ面白くないし・・と思ってお勧めしたのは長方形でふたがついている白いラタン素材のCDケース。
中にはCDが30枚入るもので2つに仕切られている。そのうちの1つにオアシスをセットしてケースのふたを半開きに固定し、ケースの中から花があふれだすようなアレンジを提案してみた。これなら花が枯れてもケースとして使える。
ほかにもいくつかの器があったけど結局そのCDケースを使う案に決定し、カトレア以外に使う花材も決まった。カゴの値段が3500円なので予算として2万円いただくことになった。
やっと決まってホッとしたところ、お客様は今度は店内にあったプリザーブのバラのアレンジに興味を持たれて、いろいろと質問を受けた。
それはビクトリアンにしたピンクのバラを2つ、リボンなどと一緒に器にアレンジしてバラの周囲にビーズのガーランドを絡ませたものだった。
楽屋御見舞いとしては小さいものだけど何年かはもつものだし、プリザーブ自体は生花ほど一般的に普及していないものだから、プレゼントとしては印象に残るものだと思ったのでそう言ってみたところ、
3日後に取りに来るのでオーダーメイドでワインレッドのバラで豪華で上品に作って欲しいというご注文もいただけた。プリザーブの方は千秋楽に持っていきたいのだそうだ。
ファンの人って本当に熱心なんだな・・・と思って送り先の住所とお名前を書いていただいて初めて、どうしてカトレアにこだわっていられたのかが分かった。その女優さんの名前に蘭という字がついていたのだ。
だからカトレアだったんだ・・納得!いかにもカトレアとかワインレッドのバラが似合いそうだし。その女優さんに似合いそうなカトレアを探して何軒も花屋さんを歩いてきたくらい熱心でこだわりがあるのだから、両方とも気合を入れて本当にすてきなものを作らなくては。
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