- 2003年11月22日「ホテル編」 - 花だって笑う -
毎日のようにたくさんの花を見るけどたまに花が笑っているのを見ることがある。こう書くとちょっと変わった人だと思われるかもしれないけど、花が笑うというのは本当なのだ。
とは言ってもゲラゲラ、ニタニタ笑っているのではない。何ていうか、声が聞こえてきそうな笑いではなく、にっこりと静かに微笑んでいる種類の笑いなのだ。
今日は久しぶりに笑っている花を見た。明日、披露宴をされる新郎が蘭農園の経営していて、その披露宴の花に自分のところで育てた蘭を使いたいと、いろんな種類の蘭を持ち込まれた。
その何十箱も届いた箱を開けている時にカトレアが笑っているのを見たのだ。カトレアを包んでいた薄紙を取ってみるとみんな嬉しそうににっこりしている。
何十輪ものカトレアを並べたその辺りの空気だけが優しいのだ。丹精込めて自分を育ててくれたご主人の晴れの披露宴を飾ることが出来て、カトレアたちも嬉しくてにっこりしているんだろう・・と思ってとても感動した。
冷静に考えれば、確かについ数時間前まで温室で咲いていたところをカットして持ってきたのだから間違いなく鮮度はいい。笑っているのではなく、鮮度がいいから特別きれいに見えただけだと言われるかもしれない。
カトレアみたいな高級な花だからそんなことを言うと思われるかもしれない。でも花が笑っている時って必ずしもカットしたてではないし、高級な花じゃなくたって笑っていたりする。
まだ咲いていなくてつぼみの状態でも、なんとなくこの子微笑んでいるな・・と思うときもある。それはただの思い込みと言われればそれまでだけど、時々花が笑っているのを目撃できるかも・・と思えるほうが仕事していて楽しい。
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